目的もなく寝かしていたり、物納しようとして寝かしている土地がある場合は立地などにもよりますが、駐車場として活用すれば老後資金等の収入源にもなります。また活用方法に注意すれば、相続税評価額を引き下げることも可能です。
駐車場用地は住宅が建っている土地より固定資産税は高いもののアパート建築などと比べれば建築費もかからず、維持費としての修繕費等もあまりかかりません。ローリスクローリターンの経営です。
固定資産税を支払っているだけの寝ている土地があるなら活用を検討してみてもいいでしょう。ただ気をつけないといけないのは使わなくなった家を壊して、その土地を駐車場にする場合、固定資産税の軽減措置がなくなり固定資産税が6倍に増えてしまう可能性もあります。その場合、古い家を残したままで空家のままか、リフォームして賃貸で貸すことも選択しないといけません。
そして駐車場経営をする場合、費用をかけたくないのでとりあえず「ジャリ敷きの青空駐車場」にしておこうと考えがちですが、相続税対策のメリットはありません。ジャリ敷きでは更地と同じ扱いになる為、固定資産税は高く、駐車場として他人に貸しても自用地扱いとなって相続税評価額に変化がないからです。
青空駐車場でもアスファルトやコンクリート敷きであれば「構築物」として扱われ、「200㎡まで50%減」になる相続税の小規模宅地等の特例も使えます。この小規模宅地の特例は貸付事業用宅地等に該当します。
例えば、5,000万円の評価の土地をアスファルト舗装の駐車場にすると、
例えば、5,000万円の評価の土地をアスファルト舗装の駐車場にすると、
となり、2,500万円も評価額を圧縮することができます。
まず経費を計算します。主な経費はアスファルト舗装費用と固定資産税です。もちろん管理会社に運営を委託すれば管理料がかかりますが今回は除いています。まず土地をアスファルト舗装にする工事を見積ります。
①アスファルト舗装工事
一般的には1㎡当たり約5,000円の工事費用がかかると言われていますので、例の土地200㎡の工事費用は約100万円になります。アスファルト舗装の償却期間は10年です。つまり10年かけて経費にしていきます。となると年間の経費は10万円、月間約8,000円の経費となります。
②固定資産税(都市計画税含む)
例の土地の固定資産税評価と相続税評価が同じ5,000万円と仮定して、
固定資産税評価×1.7%=年間85万円、つまり月間7万円の経費がかかります。
①と②を足して月額の経費合計は8,000円+7万円の7.8万円です。
次に収入を考えます。まずはその土地に車が何台止められるかを計算しないといけません。計算は1台当たり20㎡の敷地が必要となっていますので、200㎡÷20㎡=10台止めることができることになります。ただし土地の形状によって少なくなる可能性もありますので、実際は土地の寸法を調査する必要があります。
さてその土地の周辺の駐車場料金の相場が1台当たり1.5万円で貸すことができれば10台で
15万円となります。
月額:(収入)15万円 -(経費)7.8万円 = 月間7.2万円
の手残りができます。年間で86.4万円です。以外に大きな収益源になりそうです。
ぜひ寝かしたままの土地がありましたら駐車場経営を検討してみてください。