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新型コロナウィルスが相続に与える影響とは?

2020.05.01

このレポートを作成した2020年5月1日現在、日本での新型コロナウィルス感染者数は14,305人、死者数は455人となり、感染者に占める死亡率の割合は約3.1%。
全世界では3,249,022人が感染し、230,804人がお亡くなりになっており、死亡率は約7.1%となっております。

日本でも志村けんさんが新型コロナウィルスに感染し亡くなったことで、新型コロナウィルスを身近なものととらえ、いつ自分が感染し亡くなるかもしれないという考えから、遺言を作成しておこうと考える人が増えているようです。新型コロナウィルスに感染し重症化した場合、家族との面談も禁止、亡くなった後でも基本は会うこともできず、火葬されたのちに遺骨となって帰ってくることもあるようです。

政府は亡くなった方の年代を正式には公表しておりませんが、世界保健機関(WHO)が4月3日に開いた記者会見では、30代、40代、50代で死亡する人もいると述べています。

今まで相続を考え始める人のほとんどが60代後半から始まっていますが、この新型コロナウィルスの影響を受けて、今後は30代から相続の事を考える人も増えてくるでしょう。

新型コロナウィルス以外でも交通事故や病気等で亡くなる若い方もいます。

ただ30代といえば独身の方、結婚したばかりの方、結婚して配偶者と子供が1人の世帯が多いのではないでしょうか?その方にもし相続が発生した場合、今までの想像とは違った相続人が出てくることになります。

例えば独身の方に相続が発生するとご両親が相続人です。子供のいない結婚世帯で夫が亡くなれば、妻と夫の両親が相続人になります。夫婦と子供1人の場合は、どちらか配偶者と子供になります。

財産は通常のサラリーマン世帯であれば、現金等の金融資産の割合が多いので両親達が財産を受け取れば済むケースも多いでしょう。ただ子供を先に亡くした親の悲しみは計り知れません。きっと簡単に手続きできないのが心情ではないでしょうか?

また結婚した世帯であれば、結婚を機に分譲マンションや一戸建てを購入するケースもあります。その際は住宅ローンを組んでおり、あわせて団体信用生命保険にはいるケースが多いです。これは、もし相続が発生した場合に住宅ローンの残金を一括して保険で支払ってもらえるので借入れは無くなり返済もなくなります。つまり無借金の不動産資産が出来上がります。

この結婚した世帯に本当に相続が発生した場合、相続人は配偶者と亡くなった両親となり、法定相続分は配偶者2/3、両親1/3になりますので、話し合いがうまくいかなければ、この分譲マンションを売却して換金して分割することもあるでしょう。配偶者の方が思い描いていた生活とは違う人生になってしまう可能性もあります。

 

実際に私のお客様で30代の独身の方ではありましたが、「がん」で亡くなり、相続人が65歳のお母様1人の手続きを代理でさせていただいたことがあります。その際に行ったことが以下3つです。

①住宅ローンで分譲マンションを購入し、団体信用生命保険に加入されていたため、返済中の死亡による保険金請求の手続き
②携帯電話の解約やクレジットカードの解約手続き
③車両のナンバープレートの返納手続き

どの会社も私が電話しても一旦身内である母親に電話を替わり、子供の暗証番号を聞かれ、わからないと答えると生年月日を聞かれます。子供が亡くなったこともつらい出来事なのに、生年月日まで聞かれ答えないといけないのはとても苦しそうでした。そんなことがこれからもっと増えるかもしれません。

つまりこの新型コロナウィルスをきっかけに、明日、何が起こるかわからないことが現実的になり、これからは30代でも相続の事を考え、遺言を作る必要があるという事です。

いまこの新型コロナウィルスの時だからこそ、みなさんの身に万が一が起きた場合の財産の行き先を決めておかれませんか?

それは公正証書遺言で決めることをお勧めします。公証役場で作る遺言は信頼性と実現性が高い遺言です。今、新型コロナウィルスの影響を受けて、メール等でのやり取りが可能で、対面も必要最小限とあります。また実際の作成においても向かい合わず、距離を開け、できるだけ風通しを良くする配慮をしております。

ただそれでも感染のリスクを避けるためには自宅にいたいと思う方もいると思いますので、まずは家にあるノートや紙に自分の財産を書いて渡したい相手を書いてみてください。もちろん渡した相手に相続税がかかるかどうか、そして相続税が払えるかどうかを確認してください。

もし自分で書いてみて不安であれば一度当相続サポートセンターに相談してください。
もちろん電話やメールで相談可能です。

また相続税申告についてですが、今回の新型コロナウィルスの影響を受けて、申告納税の延長が認められています。例えば相続人が新型コロナウィルスに感染してしまった方や体調不良で外出を控えている方、感染の拡大を防ぐために外出を控えている方も申告納税の延長が認められております。

いつまでかというと、やむを得ない理由がやんだ日から2ヶ月以内となっています。そしてその申告方法については通常の申告書の余白に「新型コロナウィルスによる申告・納付期限延長申請」と書けばいいという事だそうです。相続が発生して、相続税の納付期限が迫っている方はご安心ください。

さて話は遺言に戻りますが、遺言を書くときに一番大切なのは付言事項を残すことです。付言とは遺言書の最後に書くことができる言葉です。好きな内容を文章で書くことができますし、文字数の制限もありません。

できたらこの付言に自らの財産を渡す子供たち等の家族に対する思いと、今までご自分を育ててくれたご両親に対する思いも書いてもらえたらと思います。みなさんが自分の人生をどう生きてきたのかを振り返るいい機会にされてはいかがでしょうか?

みなさん自分の生まれてからの人生について、奥さまやお子様にゆっくりと伝える機会は少ないと思います。ぜひその思いを遺言というものに残すことができればそれはたぶん先の代までつついていく自分の自分史になるのではないでしょうか。

新型コロナウィルスというとても世界的に大変な困難の中ではありますが、この機会をご自分の人生の振り返りの機会にしてもらえるといいのではないかと思います。

 

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筆者紹介

伊瀬知 晃
福岡相続サポートセンター
代表取締役 会長

お客様の人生の締めくくりに、残された家族や子供達が争いなくすこやかに人生を過ごせるように、あなたの想いを伝える為のお手伝いをしたいと考えています。
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そんな普段のなにげない不安や悩みの相談から、財産の見方、資産の有効活用の仕方、家族への遺し方の提案など、専門的な方々と協力し合いながらトータルでコーディネートいたします。

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